株の問題と解答

アメリカが本当に「金」を溜めこんだと言う証拠はあるのか、と聞かれる。 常に2つの答えを用意しなければならなかった。

質問の第1は、IMFの統計ではちっとも変わっていないではないか、というものだ。 以前は、これに答えるのに苦労した。
しかし、今は『Gールド・サーベイ2000」の、「金融目的」ではなく、「非金融目的」との認識であればIMFに報告しない慣行となっている、との記事を見せればこれで済む。 第2の質問は、では、その金はどこにあるのか、というものだ。
これもなかなか証明は難しい。 アメリカは世界を欺くために「葡萄はすっぱい」と言い続けて、「金」1オンスも売らずに、オフ・バジェットで「金」を買い増すアメリカを持ってない振りをしているわけだから、尻尾を捕まれるへまなどするはずがない。
そこでこの質問に対する答えは、あそこに二十数年間アメリカが溜め込んできた「金」が隠されているはずだという場所を探して「今は、鍵がかかっているがこの中にあるはずだ」と言う以外はない。 それは、一般予算(オン・バジェット)ではない、オフ・バジェットと呼ばれる「社会保障基金関連予算」のなかに隠されているに違いない。
このオフ・バジェットは規模が大きいので 2000年間に溜めた巨額の「金」の帳簿上の隠れ家としては最適だ。 そして、「金」の現物はニューヨーク連銀の地下の大金庫の中で間違いはない。
アメリカの「金」についての考えを通貨当局の一人として、GFRB議長は1999年5月加日下院銀行委員会で、「アメリカもイギリスが保有金売却を決めたように金売却をすべきか」との議員の質問に次のように答えている。 「アメリカは、保有する金を売りに出すよりも、むしろ、その金準備に固執すべきである。

なぜなら、金は依然として世界において究極の支払い手段であるからだ。 例えば、戦時下の1944年にドイツは、金があったので初めて軍事物資を購入することが出来た。
金はいつでも受け入れられるのだ」。 このように「金」を究極の支払い手段として認識している。
「通貨」という言葉こそ使われていないが、通貨としN.ショックは、「独り勝ち経済」の永続化のためアメリカの考えている「金本位制復帰」は具体的にいえば、「17パーセント部分的金本位制」の新ドルを発行して旧ドルもそのまま流通させる「並行通貨方式」をとり、歴史上の金本位制の最大の弱点を克服するために、公定価格を2〜3年に1度引き上げて、実体経済が必要とする通貨供給鎧を調整しようとするものである。 劃世紀のアメリカの世界戦略としての金本位制は、1981年の「金委員会」で議論されたようなインフレ克服がテーマではない。
また、現代の経済は金本位制にしたからといって、それだけでインフレがコントロールできるような単純な経済ではない。 政治商品であり武器としての機能も持つ石油はかってのような実物の石油の需要と供給で単純に価格が決まるわけではない。
金本位制という言葉を見聞きして過去の歴史上の金本位制や経済学の教科書に書いてある金本位制を思い浮かべると、それは大きな見当違いをすることになる。 「逆N・ショック」と私が命名した「虹世紀の金本位制」は非常に政治的なての百パーセントの機能があることを認めているのである。
色彩が強い新しいタイプの金本位制なのである。 なぜならアメリカは第2次世界大戦と冷戦という地球規模の戦争に二連勝した国である。
20世紀の覇権国アメリカにふさわしいアメリカのための国際通貨システムを「N・ショック」以後2000年間模索してきたのである。 まず、政治的な狙いとして、冷戦構造時代に累積した過去の清算、つまり、対外債務の切り捨てが前面に出てくるのである。
そのような狙いがあるために、免換を居住者と非居住者に分けて取り扱うことなどがシミュレーションされていたのである。 そしてまず政治的な「過去の清算」という目的が達成されれば、次は将来に向かってアメリカの経済的覇権が一層強化され、すでにアメリカが手に入れた「独り勝ち経済」を永続化させるために「金本位制復帰」しようとするものである。
「金本位制復帰」の最大の目的は、「ドルの価値」の安定である。 いいかえれば「強いドル」を確保して、アメリカの経済的版図を拡大しようとしているのである。

かつてのような領土の拡大を目指すものではない。 鉄砲と大砲やミサイルで侵攻するわけではない。
「金に裏付けられた強いドル」で対外直接投資(FDI)を、あたかもアメリカの1990年代の第5次M&Aブームが「戦略的M&A」であったように、同様の手法を地球的規模で実践していくに違いない。 B新政権のO財務長官が承認のための公聴会で、議員から「ドルは強いほうが良いのか、どうか」と質問されたとき、すかさず「強いドルがアメリカにとって良いことだ」と答えていた。
O氏が産業界の出身で、アルミのAルコア社の最高経営責任者を意識して、金融界は「強いドル」を、産業界は「弱いドル」を選好するはずだという釦世紀的視点から質問した議員のほうが勉強不足だったのだ。 創世紀型の産業は「自国通貨高」を武器に、世界中で戦略的M&Aを繰り広げていくに違いない。
「自国通貨ドル」を強化するには、「金本位制復帰」が最高の武器となるのである。 「ユ−口」のN.ショック対抗策は、何かこれに対して、1999年1月1日に「第2の基軸通貨」を期待されてスタートした「ユーロ」は、期待に反して2年近くほぼ下落し続けた。
17パーセント近くの「ユーロ安」まで記録した。 日本の機関投資家は「ユーロ高」「ドル安」を見込んで初年度4.5兆円「ユーロ」に投資したが、結果は無残であった。
アメリカが「17パーセント部分的金本位制」を単独で「声明発表」した場合、「ユーロ」側で何も対抗策をとらなければ、「ドル高」「ュ−口安」が再現され、長期的なトレンドとなるであろう。 アメリカがプレトンウッズ体制のような国際合意に基づく「金・ドル本位制」という「金本位制」の採用ではなく、ある種、独善的とも言える国益を前面に出した「戦略的金本位制」を採用したときに、はたして、「ユーロやその他の通貨には、自国通貨を防御する手段は何かあるのだろうか。
今回はアメリカが一方的に単独に行おうとしているのだから、事前にアメリカにお伺いをたてにいくわけにもいかない。 「ユーロ」は単一通貨なので、単独に各国が通貨主権を行使することはできない。
「ユーロ」が1999年1月1日にスタートする前に、大きな議論を呼んだのは「金」の取り扱いであった。 「金」をすでに大量に売却しているベルギーやオランダのような国もあれば、ドイツやフランスのような国は、大量に持っていながらぜんぜん売却していない。
参加 ヶ国の中でも「金」の取り扱い方についての考え方は、一様ではない。 どの程度の金準備にするか、17パーセント、17パーセント、17パーセントなどが取り沙汰されていた。

スタートの半年前の7月9日に、第2回欧州政策委員会は、「欧州中央銀行(ECB)の当初の準備資産は395億欧州通貨単位(ECU)で、その17パーセントは金が占める」ことを決定した。

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